耐震改修工事を依頼する業者を選ぶには
日本は世界に例を見ないほどの地震大国と言われています。実際、一年を通してたくさんの地震が起きていますし、時に大きな災害に発展することもあります。そんな地震大国日本だからこそ建物の地震対策が必要となってきます。ですから、現在では耐震対策や耐震改修を専門におこなう業者もたくさんあります。
耐震改修工事を請け負ってくれる会社はたくさんありますが、これから耐震改修の工事をおこなってくれる会社を探したいと考えている場合だと「どこに依頼すればいいのかわからない」という方もいるでしょう。ある程度、実績がある会社に依頼したほうが安心ですので、業者のホームページなどで過去の実績についてしっかり吟味しておきましょう。
耐震工事は専門的な知識と高度な技術が必要となりますから、一朝一夕で誰かにでもできるようなものではありません。このような理由から、きちんと業者を見極めないと痛い目に遭ってしまうこともありますから注意をする必要があります。「大工さんなら耐震の工事もできるのでは」と考える方もいるかもしれませんが、一介の大工さんでは本格的な耐震工事となると難しいこともあります。それだけ専門性が強い工事となるものですから、きちんと実績のある会社に工事を依頼しなくてはなりません。
豊富な実績がある会社ならノウハウも持っていますので、安心して任せることができます。実績が豊富な会社ならホームページ上でそのことについてアピールしていますから、気になる業者のホームページをチェックすることも有効です。耐震診断や補強設計、劣化診断などに携わった件数を記載しているところもありますし、実際に耐震工事に携わった建物を掲載しているところもあります。工事に携わった建物を名前付きで紹介しているような会社であれば信頼性も高いと言えます。
阪神・淡路大震災、東日本大震災は記憶に新しいですが、海外でも大きな地震が頻繁に発生しています。そして、この頻発する地震によって、建物の耐震という面にも注目が集まっています。以前から商業ビルなどは耐震の診断や補強が行われていたのですが、マンションなど共同住宅については手付かずの部分も多くなっていました。しかし、行政が助成制度を充実させたことにより、共同住宅の診断や耐震改修工事についても増えつつあります。
一言に耐震診断といっても、どういったことをするのかわからない方も多いでしょう。耐震診断とは、調査する業者が自宅やマンションへ出向き、その建物が地震のエネルギーをどのくらい吸収できるのかを調査することを指します。
耐震診断を行うポイントですが、まず最初に、建物周辺の状況について調査をおこないます。これは、家が建っている地盤の状態や周辺の河川の有無などを調べるということです。次に、家の基礎部分を確認します。基礎とは、コンクリート部分のことで、家を建てる上で重要な部分です。その部分の強度やひび割れを確かめていきます。基礎の部分の確認が終われば、次は建物の部分を調査します。家の形や柱、金具の使用具合や筋交い、その他にも壁や柱の強度の確認もおこないます。そして、必要であれば梁の耐力を慎重に見ます。そのような診断をおこなったあとに、最終的な判定をおこないます。判定後、もし何か不具合などがあれば、業者は改修の提案をしますので、必要であれば耐震改修の工事を視野に入れなくてはなりません。
耐震改修工事は大きなお金が動く工事です。どのような経緯で、その工事が必要なのかをしっかりと確認をして納得してから耐震改修をお願いするようにしましょう。
1981年6月に「新耐震設計法」が施行されました。この設計法は、現在の建物の耐震設計の基本となっています。ですから、それ以前に設計及び建設された建物は、特に耐震性能が基準に満たない場合もあります。このような建物が、自然災害がおこることにより危険にさらされてしまうのです。その危険を少しでも軽減するために、事前に耐震強度をチェックしておく必要があります。
耐震改修工事には高度で専門的な知識と技術が必要となります。専門性が高い工事ということですから、業者選びは非常に重要となります。きちんと耐震改修工事をおこなってくれる業者かどうかを見極めるためには、クライアントにしっかり説明できるかどうかもチェックしなくてはなりません。
インターネットなどで、検索をするとたくさんの業者がヒットします。その場合、今までおこなった耐震改修工事の実績を掲載している場合もあります。その実績を参考にすることも可能ですし、もし、参考にしたけれどわからないことが出てきた場合は、気軽にインターネットや電話で疑問点をぶつけることができます。この際、素人ではわからないこともしっかり対応してくれるかどうかもチェックすることにより、業者を選ぶ見極めともなるでしょう。
