マンションの大規模改修工事で必要な事項
マンションは建物が使われている期間内に一度は大規模改修工事が必要となります。大規模改修工事で必要となるのは、屋上防水、外壁塗り替え、設備機器と配管の取替え、内装仕上げ材の張替えが主なものです。エレベーターの取替えも必要な場合があります。1981年6月の建築基準法改正による新耐震基準の施行以前に建てられたマンションは、それ以外に耐震診断と耐震補強が必要となる場合があります。
マンションの大規模改修工事では、防水工事が大きなテーマとなります。建築に求められる機能の中で、風雨から人を守るのは基本的な機能です。屋上の防水はアスフォルト防水やシート防水がされていますが、防水材には耐用年数があり、改修が必要となります。雨漏り等が発見された場合でも原因を特定するのが難しく、数ヶ所同時に破損が発生することもあります。屋上の防水は一定の周期でやり替えをする方が、雨漏りを個別に補修するよりも経済的になることがほとんどです。
大規模改修工事の折に、行っておきたいのが外壁の補修です。タイル壁の場合はタイルの破損が問題となることがあり、補修しないで落下事故が起きると所有者の責任も問われかねません。タイルの補修は、破損か所の確認作業が行われ、全面或は部分的な張替え工事が行われます。コンクリート打放しの外壁は、塗料の性能により防水を維持しています。外壁の塗装部分は常に風雨にさらされるため、経年により劣化します。定期的な塗り替えは防水の維持に必要なことです。
マンションの大規模改修工事では設備機器の取替えや、配管のやり替えが必要とされることがあります。設備機器はその部分だけの取替えで済みますが、配管類の取替えは大がかりな工事が必要な場合があります。マンションの配管は、コンクリート内に埋め込まれていたり、下階の天井裏を配管スペースとして使っている場合があるので、取替えには全面的な改修が必要となります。現在は耐用年数の長い配管部材も製品化されているので、一度取り替えるとその後は長持ちします。
大規模改修工事では、マンションが建てられてから以降に普及が進んでいるものについても、新規に設置すると安全と生活の質の向上につながります。セキュリティーは近年大幅に強化され、エントランスへの防犯カメラやオートロックはほとんどの新築マンションで設置されるようになりました。通信ではインターネットによる高速回線の導入が必須となっています。